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義歯人工歯の排列

大学のある先輩の先生が語られていたことがあります。だんだん臨床経験をつんでくると義歯の人工歯を排列していくのが楽しいというのです。通常義歯の人工歯の排列は歯科技工士さんにお願いしている歯科医が多いと思います。多分、楽しいと言われる先生は人工歯排列を自ら手がけているのだと思われます。
 
歯を失う本数が多数の場合、インプラントという選択もあるでしょうが、通常はまず義歯を選択することが考えられます。歯を失う原因は多くはカリエスと歯周病です。これらで歯が失われますと、残存歯の歯列も乱れ上下、左右、前後に歯の位置が変化してきます。欠損歯が少数の場合はまだ歯列への影響は少ないです。問題は残存歯が無い場合や、少数残存の場合です。
 
少数残存や無歯顎の場合では稀に放置状態の方もいますが、すでに義歯が装着されています。これが不具合で歯科医院にご来院されます。この場合、新しい義歯を作製することになります。ここで古い不具合の義歯を観察します。ピンクの義歯床大きさの問題や吸着の問題などもありますが、人工歯の排列のチェックも必要です。残存歯が少ない場合、本来の歯の位置から逸脱していることも多くあります。その残存歯にあわせて人工歯を排列すると本来の位置取りではありません。このあたりが難しい選択になります。
 
新しい義歯を作製する場合、人工歯の排列は極力古いものに捉われないようにしています。ここで患者さんの顔面所見や顎の動きを見ながら義歯人工歯の大きさや形状そして排列を決めていきます。歯科医の判断で排列などが変化します。
 
上顎の総義歯が不具合な方がいました。下顎前歯6本は残存です。この方は不具合な上顎前歯が正常被蓋に排列されていましたが、新しい義歯では顔や顎の運動所見を参考に、思い切って反対咬合になるよう上顎前歯を排列しました。すると上顎総義歯は安定しました。
 
残存歯が多く残っていて、歯列が乱れていると歯科では歯列矯正も考えられますが、時間と労力そして費用がかさみ、なかなか難しい問題を抱えます。歯列矯正をせず修復しますと歯列の不具合を残したままになることが多いです。他方義歯では多数歯欠損において術者の思うような排列をすることが可能になり、楽しいということに繋がるのかもしれません。

番町歯科クリニック
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