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口腔内科への期待

歯科医院で口腔外科という標榜を表記しているのはよく見かけます。歯科が歴史的には「抜く」「削る」「切開する」を主体に発展してきた経緯があり、口腔外科が標榜科としてあることはわかります。インプラントも顎の骨に穴を開けますので外科処置です。 
 
最近は歯科において予防の概念が定着して、「抜く」「削る」「切開する」などの治療行為が総じて減少してきています。言葉を替えると「虫歯(カリエス)」「重度歯周病(歯槽膿漏)」などが減少傾向にあるといえます。ただその一方で現代社会に暮らすことによる新たな口腔領域の疾患・症状が出現してきていることも事実です。
 
その代表格が顎関節症やブラキシズム、TCH(歯牙接触癖)などで、これらにより象牙質知覚過敏や歯冠・歯根破折などが起こります。これらへの対応には心療内科的なアプローチが必要なこともあります。
 
そしてもうひとつ大切なこと。口腔内の天文学的数値の口腔常在細菌の存在。食べ物の入り口と出口である口と大腸には莫大な細菌が存在しています。これら細菌の生理学的なまた病理学的な存在意義がまだまだ解明されたとはいえません。
入り口の口腔ですが、口腔細菌(主に歯周病菌)が歯周組織の毛細血管を通して血液中に入り菌血症になり、細菌性心内膜炎を惹起することは知られています。また最近では口腔内細菌が大腸がんの発病原因のひとつではないかということで、この方面の研究も盛んになってきているようです。
 
歯科医療の根本は外科ですが、大脳生理・心理的要素や細菌群の存在がクローズアップされつつあり、これからは口腔内科が必要になるのではと思っています。今後10年で歯科医療もかなり進化してくるのではと思っています。10年後が楽しみです。

番町歯科クリニック
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