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歯が痛いということ(歯痛)

太古の昔から人類は歯痛に悩まされてきました。かつては歯冠部分がカリエス(虫歯)で冒されることにより、歯髄が炎症を起こす(歯髄炎)ことによる歯痛が一番多かったです。ところが最近は歯冠部分に大きな異常が無いにもかかわらず、冷水痛などの歯痛を訴える方が多くなってきました。歯痛の病態も変化してきていることを痛切に感じます。
「歯が痛い」「歯が痛くなる」ということは、歯の歯髄(シンケイ)がなんらかの異常を感知して痛みとして知らせてくれているということです。こんなシグナルは誰でも嫌うでしょうが、歯髄(シンケイ)が異常を感知して警報を発していると捉えることができます。
冷水痛などの歯痛は歯髄(シンケイ)が生きているという証しです。歯髄(シンケイ)が死にますと、異常を感知するセンサーが少なくなり、歯の根周囲に存在する歯根膜頼りになります。「冷たいものが凍みる」などは不快この上ないですが、歯にとっては異常を痛みで知らせているのです。
歯髄(シンケイ)が生きている前提の歯痛では、異常を知らしているサインですので、異常の原因を除去するのが一番。多くはカリエス(虫歯)が原因ですので、従来の処置で対応可能です。最近多くなってきた視診でもレントゲン検査でも異常像を確認できない場合、考えられる原因を一つずつ消去法で探らないといけなくなります。そのため痛みを対症療法で抑え、経過観察しながら対応していくことになります。カリエス(虫歯)以外の原因不明歯痛を即抜髄(シンケイを抜くこと)処置で対応はしませんし、この方法を即実施することをお勧めできません。
歯痛の原因がすぐにはわからないケースですが、歯冠部分にクラック(亀裂)が入っている場合が多いのではというのが臨床上の実感です。クラックに対する処置や象牙質知覚過敏処置をします。この場合多くは症状が緩和してきます。少数ですが強い冷水痛から症状消失して「治った!」と一時期思うのですが、後日「咬んだら痛い」という症状が出現することがあります。歯髄(シンケイ)がクラックから細菌感染して壊疽になった場合です。(歯髄壊疽)壊疽になりますと強い歯痛が出ます。この場合根管治療(歯の根の治療)が必要になります。
歯痛は患者さんにとって悩ましきものです。歯痛の原因が当初不明のケースでは、この対処には信頼関係が無いとなかなか難しいことになることもあります。このあたりご理解ください。

番町歯科クリニック
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